こんにちは、ルミルミです。
今日は塩の話です。健康志向と相まって「減塩」というキーワードが当たり前になっています。
塩分の取りすぎは高血圧の原因ともいわれる中、減塩レシピ本なども多く見かけるようになっていますが、塩のつくられ方やえらび方についてまとめてみました。
塩には3種類が存在します。
塩は原料別には海塩、岩塩、湖塩の3つに大別されます。
海塩
海水を原料とする塩です。日本近海で取れる純国産のもの、海外(主にメキシコやオーストラリア)から原料を輸入して日本で加工したもの、海外産のものがあります。
岩塩
岩塩層を採掘したもの。ヨーロッパやヒマラヤ産・アンデス産などが主流です。日本には岩塩層はありません。
湖塩
塩分を含む湖から採れる塩。ちなみに、湖自体も地面の隆起など地殻変動で海が閉じ込められた末できたものなので、もとを辿ると海塩とつながります。
ちなみに、現在の日本の塩の食料自給率は20%以下だそう。島国で海に囲まれていますし、スーパーなどで販売されている塩も「日本の海で作りましたよ」みたいな書き方をしているものも多いので、もう少し高いのかな、、、なんて思っていただけに、驚きました。
昔ながらの塩はこのようにして作られています。
1)海水をくみ上げて塩田に運び、天日のみで塩分の濃度を高める。
2)塩分が濃縮した砂を集めて海水でこし、かんすいを作る。
3)かんすいを大釜であら炊きし、銅桶にため、本炊きをして水分をとばす。
かつては日本でも全国各地に塩田があり塩を生産していました。調味料としてはもちろん、梅干しや干物など食材を保存する知恵として、昔から身近にあるものでした。
しかし明治時代に塩の専売制が始まり、昭和24年に専売公社が設立され、伝統的な製法の塩づくりはほとんどが姿を消し、かわりに精製された塩化ナトリウムが食塩として食卓に普及するようになりました。
それから50年以上が経過した1997年に塩の専売制がようやく廃止され、色々な塩が流通するようになり、現在に至っています。
製造方法にみる、塩の種類
成分表示は商品の裏側に記載されていることが多いです。ぜひご自宅にある塩が下記のどれに当てはまるの、チェックしてみていただけたらと思います。
自然塩
主に海塩や岩塩など、塩化ナトリウムやマグネシウム等のミネラルとニガリが自然に含まれている塩。ナトリウム、マグネシウムのほかカリウムやカルシウムなど、様々なミネラルを含みます。ちなみに、日本は雨が多いため、天日のみで結晶を作るのは気候的に難しいそう。よって、海水を濃縮して塩を結晶させるには、(日数、手間、燃料など)コストがかかります。
・天日塩
原料:海水 と書かれていることが多い。
工程:天日、(粉砕) と書かれていることが多い。
「海水」を「天日」で濃縮して濃い塩水を作り、それを天日で結晶化させ、必要に応じて粉砕を行う製造方法です。自然な形で海水に含まれるミネラルが残っているため「生きている塩」とも言われます。
・釜焚塩
原料:海水
工程:天日、平釜 と書かれていることが多い。
海水を天日で濃縮した後、平釜で焚くことで濃縮して塩を結晶させた塩です。日本では気候的に天日のみで塩を作ることが難しいため、昔からこの製法で塩を作ることがほとんどです。
精製塩
原料:海水
工程:イオン膜、立釜
いわゆる、コンビニやスーパーなどでよく見かける「食塩」をさします。スーパーなどで売られているお惣菜やお菓子はもちろん、醤油や干物などに入っている塩も「天日塩」「自然塩」などと記載がない限り、この塩のことをさすと思った方がいいです。
製造方法は海水中の塩分を「イオン交換膜」を用いて電気で濃縮します。海水が入った槽の両側に電極を入れて電流を流すことで、イオン交換膜の間に高い濃度の塩水を作り出し、立釜(真空蒸発缶)を用いて釜焚結晶化させます。天候に左右されないので、年間を通して安価で製造することができます。精製されているため塩化ナトリウム濃度が99%以上で、他のミネラルはほとんど含まれていません。
再生加工塩
原料:天日塩、海水、塩化マグネシウム(にがり) と書かれていることが多い。
工程:溶解、混合、平釜、立釜 と書かれていることが多い。
海水から作られた「天日塩」と「ニガリ」を原料に作られた塩です。「あらじお」として販売されている塩の多くはこの製造方法が取られています。またおもて面に「天日塩」として販売されていても、実際には自然塩としての天日塩ではなく、再生加工塩であることも多いです。
天日塩を水に溶かした(溶解)後、にがりや海水と混合し、釜焚で結晶化させて作られます。「天日塩」を溶かして『濃い塩水』を作ることが出来るので、経済的。そのかわり天日塩は生産地で洗浄されることが多く、洗浄の際に不純物と共にミネラルも溶け出してしまうため、ナトリウム濃度が高くなってしまいます。
良い塩は身体に必要なんです。
血液の組成は、海水とほぼ同じと同じと言われています。また、母親の胎内の羊水も海水と同じ組成だそう。母なる海とはよく言ったものだなぁと思います。本来、自然な塩は人間が自分で生成できない必須ミネラルを含んでいるのです。
19世紀にフランスでルネ・キントンという医者であり生物学者が自分の愛犬の血と海水を入れ替えるという実験を行い、海水が生命を動かす源であると結論付け、当時のフランスで数十万人の命を救いました。(しかし、海水で人類の病気を治せるとなると、ほぼお金がかかりません。そのためそれをよく思わない方も必ずいるわけで・・・。ロビイスト達によってキントンの功績は葬られてしまいました。ただ、論文としてはちゃんと残っています)
ちなみに、ハーバード大学では『ネズミ10匹に多量の塩を与え続けた数ヶ月後、4匹のねずみが高血圧になったものの、6匹は正常なままだった。一方精製塩だと7グラム程与えただけで全てのネズミが高血圧になった』という実験結果が出ているようです。
・・・こういった話からも、単純に減塩が良い、というわけではなく、精製された塩に原因があるのではないか、と考えます。
自分が使っている塩がどんな風に作られているのかを調べ、今後の買い物の参考になればと思います!