味噌の効能いろいろ

みそは発酵食品なので、麹菌や酵母菌、乳酸菌などの微生物がたくさん活躍しています。 江戸時代の代表的な食の解説書である「本朝食鑑」では「みそ」に関して次のような記載があります。

「腹中をくつろげ、血を活かし、百薬の毒を排出する。胃に入って、消化を
助け、元気を運び血の巡りを良くする。痛みを鎮めて、良く食欲をひきだして
くれる。嘔吐をおさえ、腹下しを止める。また髪を黒くし、皮膚を潤す」
と。

栄養素の高さからスーパーフードと言われていますが、その効能は現在も研究が行われています。その一例をまとめました。

必須アミノ酸をすべて含んだスーパーフード。

みそは大豆を主原料としているため、たんぱく質が豊富に含まれています。発酵の過程でたんぱく質が分解され、アミノ酸になります。そのなかには、身体にとって必要な必須アミノ酸9種類が全て含まれているそうです。
その他にも、ビタミンB1B2B6B12、ビタミンE、ビタミンK、ナイアシン、酵素、パントテン酸、葉酸、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、鉄、リン、亜鉛、ヨウ素、銅、クロム、モリブデン、セレン、食物繊維、脂質など、非常に多くの栄養素を含んだ食べ物です。

さらに、味噌汁に様々な食材を入れることで、より多くの栄養素を摂取することができます。ちなみに平均寿命が40歳に満たなかった江戸時代において75年もの生涯を全うした徳川家康は毎日「五菜三根」の味噌汁を食べていたそうですよ。

放射性物質除去効果

第二次世界大戦時、長崎県に原爆が投下された際、爆心地から1.8kmのところで被爆した聖フランシスコ病院の秋月医師と病院関係者たちは、塩辛い味噌汁と玄米に塩をつけたものを毎日食べ、被爆症状を出すことなく獅子奮迅の活躍をしたという記録が残っています。

また原爆放射線医科学研究所の報告によると、一週間味噌を食べさせたマウスにヨウ素131、セシウム137を投与し強い放射線を照射すると、血液中のヨウ素が6時間で大幅に減少。セシウム137は筋肉では3日後に減少するという結果が得られました。熟成期間の長い味噌を食べたマウスほど、小腸の傷が少なく生存日数が増えるという結果も出ました。

不溶性の放射性物質は血液にたまりますが、味噌の有効成分が血液中に高濃度で含まれていると、この成分と放射性物質が結びつき、体外に排泄されることが分かりました。発酵の際に作られる酵素に強い解毒作用と免疫活性作用があると考えられています。

(ただしストロンチウムやプルトニウムは血液ではなくすぐに骨髄に入り込むため、こちらへの効果は期待できません)

活性酸素の除去作用

みそは他の食材と比べ、最も活性酸素を除去する力が高いという研究がなされています。(1995年、東北大学)これはみそやしょうゆの原料である大豆の中の「DDMPサポニン」という物質に活性酸素を消去する力があるためです。丸ごと大豆を使用するのでDDMPサポニンを十分に摂取できるだけでなく、発酵させることでDDMPサポニンがバラバラになるため、さらに体内へ吸収しやすく、効果を高めることができます。

また、みその熟成過程で生成する褐色色素メラノイジンにも活性酸素消去作用があることもわかっています。活性酸素はがんをはじめとした慢性病や老化の元とも言われているので、それを除去できるのは嬉しいですね。

血圧を下げる作用

味噌汁の飲み過ぎは塩分の取りすぎで血圧を上げるのではないか、と懸念される声もありますが、農水省食品総合研究所の研究によると、味噌汁を投与されたラットの血圧が下がったという報告があり、しかもその量は多いほど下がるという研究成果が出ています。

女子栄養大学の五明副学長は、「食塩の目標摂取量を1 10 g 以下(厚労省)としているが、現在、日本人平均1112 g であり、そのうち味噌食塩の寄与率は5%程度(0.5 g)と試算される。したがって、減塩のための味噌汁減量指導には実際的な意味はない」と文献に記しています。

骨粗鬆症の予防・改善

骨粗鬆症の最大の予防法は、カルシウムの多い食生活を送ることです、カルシウム原として筆頭にあげられるのは牛乳など乳製品ですが、牛乳にはカルシウムの他にリンも多く含まれており、これを排泄するためにカルシウムも一緒に排泄してしまいます。
大豆に含まれるイソフラボンは、女性ホルモンのような作用を示すことから、骨密度の低くなる骨粗鬆症の予防・改善効果が期待されています。味噌そのものに含まれるカルシウムだけでなく、だしを取る煮干しやジャコ、けずり節、具に利用される豆腐やワカメ、 菜っぱ類にもカルシウムが豆腐などの大豆食品や野菜、海藻、小魚など、カルシウムを含む食品は数多くあります。
具だくさんの味噌汁は日本人に欠かせないカルシウム源と言えます。

ガンの予防効果

味噌に含まれる酵素や酵母・乳酸菌の働きが、癌の発生物質を除去するという効果もあります。
1981年10月、国立がんセンター研究所で疫学部長をしていた故平山雄博士が『みそ汁の摂取頻度と胃がん死亡率との関係』を発表しました。
これによると、男女いずれもみそ汁を飲む頻度が高い人ほど胃がんによる死亡率が低いことがわかります。ことに男性の場合は、みそ汁を「毎日飲んでいる人」と「まったく飲んでいない人」とでは、「まったく飲んでいない人」のほうが、胃がんによる死亡率が48%も高くなっていました。
また2003年には厚生労働省の研究班が「みそ汁の摂取が多いほど乳がんになりにくい」という調査結果も出しています。

アンチエイジング

味噌に含まれるビタミンEは抗酸化作用があり、アンチエイジング効果・美肌効果があります。また味噌が発酵する過程で生まれるメラノイジンは強い抗酸化力を有しており、茶色が濃ければ濃いほどそのアンチエイジング効果も高いです。
さらに、味噌が含有する代表的な成分イソフラボンは、女性ホルモンであるエストロゲンと同様の働きをするので、アンチエイジング効果があり、更年期障害を緩和する作用があります。

ダイエット効果

味噌に含まれるロイシン、イソロイシンといった必須アミノ酸は脂肪燃焼を促進する効果があります。また、ビタミンB群も含まれておりこれらは脂質や糖質の燃焼を促す効果があるため、ダイエットには欠かせない栄養素です。さらにコレステロール値の上昇を抑えるリノール酸や大豆サポニン、コレステロールを除去する大豆レシチンなどの影響で血液がサラサラになる効果があります。味噌にはビタミンEも含まれているので、ビタミンEの血液の流れを良くする効果から、代謝を上げて体にたまった脂肪を燃やすことができます。
さらに大豆ペプチドという成分や乳酸菌が腸内環境を整える効果があり、便秘の解消やデトックス効果が期待されます。

美白効果

農林水産省食品総合研究所・食品機能部の津志田藤二郎氏の「豆類の健康機能」という研究に文献よると、味噌の発酵過程で生まれる遊離リノール酸が身体の中から美白をつくり、シミ・ソバカスの元になるメラニンの合成を抑制することが判明したそうです。その作用は美白成分として知られているアルブチンに匹敵する程だそう。また味噌職人の手はどれも美しい(美白)という言い伝えもあります。


「医者に金を払うよりも、みそ屋に払え」  これは江戸時代に実際に作られたことわざ。昔から食卓の味として、家庭の薬として慕われているみそ。もし飲む習慣がない方は今日の晩ごはんからいかがでしょうか。

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2人のこどもを育てながらネット求人企業ではたらくワーキングマザー。週末発酵教室。栄養医学指導師。今日からすぐに始められるからだに優しい食べ物の選び方や簡単レシピなどを紹介していきます。